2014年5月31日土曜日

Canon EOS 5D Mark2でMagic lanternをインストールから撮影するまでの手順

Canon EOS 5D Mark2でMagic lanternをインストールから撮影するまでの手順を日本語でまとめました。



 











A.)-必要なもの
1. Canon 5D mark2
2. コンピュータ
3. インターネット(必要なファームウェアとアプリケーションをダウンロード)
4. CompactFlashカード Raw videoには1000Xを推奨
5. USBカードリーダ, USB3.0 UDMA7準拠を推奨
注釈#1 USBカードリーダ使用について
例えば購入しやすいKomputerBay 64GB 1000X以上のいくつかのCFカードはデータが壊れることで知られており、
USB2.0のカードリーダとは互換性がない事が知られています。USB3.0 UDMA7準拠のリーダを使用してください。(次のリンクにあるカードリーダとCFで動作確認済みです。国内最安)

B.)- ファームウェアのダウンロード

1. 5D mk2のマジックランタンファームウェアをダウンロードする。もし安定版が必要ならこちら
(現在は安定版v.2.3).  http://www.magiclantern.fm/downloads.html#dldialog
2. 最新のNightly buildマジックランタン5D2.212をダウンロードする。もし最新の開発中や変更バージョンを試してみたい場合は http://builds.magiclantern.fm/#/
3. ファイルの中身を解凍する

C.)-クリーンインストールのためのカメラの準備

1. Canonファームウェア v2.1.2が入っていることを確認
もしまだCanonファームウェアが古い場合は、初めに更新します
2. 必ずバッテリーを満充電にする。チップ内蔵か純正バッテリーを推奨
3. ユーザー設定を消去(メニュー3番目のレンチ)
4. ダイヤルをMにセット

D.)- マジックランタンをインストール

新しい簡素化したインストーラーのおかげで安定版の初期インストールが必要なくなりました。
2014/3/27以降のnightly buildをダウンロードし、含まれている5D2_212.firを使ってカメラにマジックランタンをインストールします。

1. カメラでCFカードをフォーマットし取り出します。カードリーダへ入れます。
2. コンピュータに繋がっているカードリーダを使って安定版v2.3(またはnightly build)のファイルをCFカードのルートディレクトリにコピーします。
5D2は3ファイル(ML フォルダー,Autoexec.bin, 5d2-212.fir)だけ必要になります。
3. カメラにCFカードを入れ、ファームウェアを更新します(メニュー3番目のレンチ):"Done! Please restart your Camera"とグリーンのテキストで表示されるまで待ち、リブートします
(電源オフ後、オン)
4. マジックランタンのインストールを確認するため、ごみ箱ボタンを押します
5. もし確認できたらカメラを切り、CFカードを取り出し、マジックランタンを更新するためにカードリーダに戻します

注釈#2  カメラからマジックランタンのCFカードを取り出すことについて
絶対に早くカードを抜かないこと!
あなたがカードのドアを開けた後、ほとんどのカメラは次の数秒間CFカードにアクセスします。これらのカメラはカードを抜いても安全になったらLEDが短く点滅します。
カードへのアクセスは普通LEDが動作することなく行われます(そしてこれは改造が加えられたバージョンのCanonファームウェアの更新以外の方法では直せません)
これがカードを抜くときに気をつけないといけない理由です。
もしカードを直ぐに抜くと、カメラは動かなくなり、バッテリーが少しずつ減ります。

注釈#3 ML はすべてのCFカード内に必要
もしいくつかのCFカードを使う必要がある場合はステップDを繰り返してください
もしマジックランタンなしでCFカードを挿したとき、Canonファームウェアだけのカメラのように普通に機能します。

注釈#4 手順を自動化したマジックランタンのCFカードへのインストールは、EOSCARDというアプリを使用して下さい  http://pel.hu/eoscard/

E.)-Nightly Buildのマジックランタンで更新する
1. カードリーダにあるCFカードで、事前に解凍した最新のNightly buildをCFカードにコピーします。2つのファイル(MLフォルダとAutoexec.bin)があります。古いファイルに両方上書きコピーします(.firは必要ありません)
2. CFカードをカメラに戻し、電源をオンし、ライブビューを押します。マジックランタンメニューを開くためにゴミ箱アイコンを押します。
もしマジックランタン情報画面が表示されたら、もう一度ゴミ箱を押してください。
ジョイスティック(マルチコントローラー)でメニューを移動できコントロールダイアル、SETボタン、ピクチャースタイルボタンでサブメニューにアクセスできます
注釈#5  マジックランタンメニューでサブメニューにアクセス
ピクチャースタイルを押すことは、他の機種ではQボタンを押すことと同じです。

F.)-必要なモジュールの読み込み

1.  カメラをオンにしてライブビューで、ごみ箱ボタンを押し、MLメニューを表示します
2. ジョイスティックかフロントスクロールホイールを使ってMODULESタブへ移動し、ジョイスティックかリアダイヤル/スクロールホイールを使って次のモジュールをSETを押して選びま す。ONやWILL LOADが表示されます
    Raw Videoレコーディング用: (必須)
   file_man
   mlv_play
   mlv_rec
   mlv_snd
   pic_view
   raw_rec (これはRawの初期バージョンでmlv_recとは一緒に使えません。どちらか選んでください)
   高度な静止画撮影用:(関連する静止画のスレッドを見てください。ここではVideo撮影のみ扱います)
3. カメラを再起動します。電源が付いたら、MLメニューに戻りModulesタブで読みこんだモジュールを確認します。モジュール名の横にOKが表示されます
もっとMLについて学んだ後、この方法で追加のモジュールの読み込み/削除が行って下さい
注釈#6 あなたが読み込んだモジュールのいくつかはONにする必要がある場合があります
Moduleタブで確認後、MLV Sound(mlv_snd.mo)やMLV Raw Video(mlv_rec.mo)のようなモジュールは対応するRaw VideoやSoundタブで有効にする必要があります。推奨設定は下記G/2を参照

G.)-推奨設定(MLV+Soundで撮影)
1. Canon メニュー:
  -第一 Camタブ
   Peripheral illum.correct > Disabled
  -第二Camタブ
   color space > adobe rgb
  -第二Play タブ  
    highlight alert > Disabled
    image jump > 1 image
  -第一レンチタブ
   Auto power Off >OFF (または8分、15分。CFカードの容量により32GBは8分、64GBは15分)
  -第二レンチタブ
   Liveview func/movie set> LV func.setting > Stills+movie / Screen setting > movie display
   正しい日付と時間を設定
  -Cfn I  
    Exposure > iso expansion > ON
  -Cfn II
   Hi ISO speed noise reduction> Disable
   Highlight tone priority> Disable
   Auto lighting optimizer> Disable

2. マジックランタンメニュー:
  -Audioタブ
   MLV Sound>ON  48khz default
   (ピクチャースタイルを押し、トップスクロールホイールを押すと48/44.1/22/11/8kHzから選べます)
   Headphone Mon.>ON (もしモニタリングが必要ならRCA-フォーンジャックアダプターかsesscomケーブルを使います)

注釈#7 MLV Sound
MLV SoundがONのとき, CanonメニューのFPS設定で決定したフレームレートで別のWAVファイルが生成されます
FPS Overrideが使われるとき、Raw videoのフレームレートのみ影響を受けます。WAVファイルは24fpsか30fpsのままになり、CanonメニューのFPSセッティングに拠ります。
mlv soundをカメラで再生する事はできません。
  -Overlayタブ
   Global Drawをオン(これはGlobal Drawのメインスイッチです。Raw videoサブメニューにももう一つあります)
   Rawで撮影するときは、他のすべての項目をオフにすることをお勧めします。 

  -Movieタブ
   FPS override>23.976 (正確なFPSに合わせる) Crop modeで撮影するときに必要になります。(link)
注釈#8 FPS Over rideの使い方
3X crop modeで撮影するときは、Canonメニューの設定に関わらず、デフォルトのフレームレートは30fpsです。
そのためFPS Overrideを有効にし、23.976, 25, 24など用途によって設定します。
カメラの本来の機能であるh264 movで録音したいときはこの機能をOFFに設定しておくことが重要です。
オーディオメーターが反応しない場合はこの設定に原因があるヒントとなります。
MLV RAWでは、FPS Overrideが使われていても、別のWAVファイルが記録されます。Audioタブ 上記注釈#7を参照

   Raw video (MLV)>ON (ONにするためsetボタンを押した後、他のオプションを見るにはピクチャースタイルを押してください)
   >Raw Video(MLV) サブメニュー
   Resolution>1728x972 (連続撮影可能なさまざまな設定の一覧を参照) http://www.magiclantern.fm/forum/index.php?topic=11205.msg108936#msg108936
   Aspect Ratio>16:9 (連続撮影可能なさまざまな設定の一覧を参照)
   Global Draw>ALLOW
   Frame Skipping>OFF
   Preview>Auto
   Status when recording>Icon
   Extra Hacks>ON
   Fix Black level>OFF (5/15のnightly build以降にピンクの影がrawの画面に映るときはこれをONにする)
   他の設定はあなた自身がMLでの撮影に慣れるまではデフォルトのままにします。
   >Movie Tweaks サブメニュー (これらはH264での撮影に関係します)
   Movie Restart>ON (H264での連続撮影の監視しないようにします。4GBの制限に到達したら撮影がもう一度始まります。1秒のギャップがあります)

  -Displayタブ
   LV DIGIC Peaking>Slightly sharper (古いPeakingを使わずこちらを使用して下さい。より早く正確です)
   Advanced Settings サブメニュー
   >Screen Layout>4:3 display,auto

  -Modulesタブ
   パートFを参照

  -Prefsタブ
   Config files sub menu
   >Config Autosave>ON
   Warnings for bad settingsサブメニュー
   >Mode warning>other than M (ダイアルをManualから動かしたら警告します)

  -Debugタブ
   Modules debugサブメニュー
   >Load modules after crash>ON

これらの推奨設定を設定後、撮影を行う前にMLが設定を保存できるようにカメラを再起動するようにしましょう。

H.)-1XモードまたはノーマルモードでRawの撮影
1. SETボタンでRaw videoまたはH264での撮影の開始、停止を行います
2. Canonメニューで設定したら30Pで撮影可能ですが、解像度が高い場合は短い時間しか撮影できません。(連続撮影可能なさまざまな設定の一覧を参照)
ヒント: ピクチャープロファイルはRaw video記録に影響が無いことから、フォーカシングを助けるためにDIGIC peakingに加えて、ピクチャースタイルでシャープネスを上げます。

I.)-3X CropモードでRaw撮影
1. 3X cropモードを有効にするために拡大ボタンを一度(5X)押します。2度(10X)押しても影響はなく、フォーカスのチェックに便利なだけです。明確に言えば5X cropモードではなく、5X

拡大を利用した3X cropモードです。
2. 拡大ボタンを押した後、ML menu>Raw Video サブメニューを選びます。18xxより高い解像度を選べるようになります。最高で2144x1076 16:9ですが数秒間だけ撮影です。
(連続撮影可能なさまざまな設定の一覧を参照) http://www.magiclantern.fm/forum/index.php?topic=11205.msg108936#msg108936
3. もしCanonメニューで24Pが選択されていても、cropモードでは30PがデフォルトになるのでFPS Overrideを有効にして下さい
より高い解像度か、遅いカードを使っていると、より長い撮影時間を達成するために、より遅いFPSを使用する必要があります。
4. Cropモードで見ながら、構図を決めるのは難しいです。別の選択肢としては RAW Video サブメニュー>preview> (Auto/Canon/ML Grayscale)があります。デフォルトはAUTOです。
Auto
Canon"標準"機能では5X拡大でリアルタイムカラー表示ができますがフレーミングは不正確です。
MLグレースケールは、ほぼ正確なフレーミングが出来ますが、グレースケール/低解像度/表示遅延になります。
5. シャッターの半押しによりCropモードでのカラー表示と少し改善されたプレビューが利用できます。次のメニューでスティッキーハーフシャッターをONにできます:ML

Menu>Prefs>Misc key settings>Sticky HalfShutter>ON.
しかしこれはSETボタンによる撮影の開始/停止と衝突します。回避策はカラーで見るために撮影を開始し半押しして、半押しを止めるときに撮影を停止します。
J.)-カメラ内でRawファイルを見る
1. MLメニューでは、DEBUGタブに行き、FILE MANAGERまで下方向にスクロールし、SETボタンを押し、CFカードのDCIMフォルダへ移動し、SETボタン押し、あなたが見たいファイルを見つ

けて選択します。
2. VIEWを選び、ファイルを再生します。
3. ゴミ箱ボタンを押し、再生コントロールとオプションを有効にします。オプションを選ぶためにスクロールダイアルを使い、SETボタンを押します。

注釈#9 RAWで撮影するときにCFカードに記録されるファイル一覧

xxx-xxxx.MLV - DNGとWAVを含むRAWファイル
xxx-xxxx.Mxx - 4GBを超える撮影のときに生成されるMLVファイルの一部
xxx-xxxx.IDX - File managerでMLVファイルを見た後に生成されるファイル
MLV_REC.TMP - RAW Video サブメニューでRESERVE CARD SPACE>ONにしているとき、カードの空きを確保するためのファイル
xxx-xxxx.RAW - Rawファイル ver.1で、 DNG フレームを含むファイル (音なし)
xxx-xxxx.Rxx - 4GBを超える撮影のときに生成されるRAWファイルの一部
xxx-xxxx.MOV - h264 Videoファイル
xxx-xxxx.THM - MOVファイルのサムネイル

注釈#10 標準のH264 movファイルやJPGファイルはfile manager viewerでは再生できません。
標準のH264 MOVファイルやJPGファイルを見るには、MOVIEタブで必ずRAW Video(MLV)をOFFにします
MOVファイルを再生するために再生ボタンを使います

K.)-DNGとWAVファイルを抽出
  Windows:
  MLVファイルを12bitや16bitのCDNGに変換する方法: http://www.magiclantern.fm/forum/index.php?topic=5618.0
  MLVファイルを14bitDNGファイルに変換する方法: http://www.magiclantern.fm/forum/index.php?topic=10198.msg98334;topicseen#msg98334
  Mac:
   RAWファイルをCDNGに変換する方法: http://www.magiclantern.fm/forum/index.php?topic=6218.0

L.)-DNG/CDNGやWAVファイルを編集


Da Vinci Resolve 10 Lite (グレーディングと簡単な編集を行う無料アプリケーション) : http://www.blackmagicdesign.com/products/davinciresolve

より詳しいポストワークフローのディスカッションはこちら: http://www.magiclantern.fm/forum/index.php?board=54

 EOS 5D Mark3のMagic lanternインストールの記事を書きましたのでよろしければこちらもどうぞ。
http://vidiot5.blogspot.jp/2016/02/canon-eos-5d-mark3magic-lantern.html
 
 Magic lanternの撮影データのポストプロセス
http://vidiot5.blogspot.com/2016/02/magic-lantern_14.html

Magic lanternのRAW動画の撮影設定について
http://vidiot5.blogspot.com/2016/02/magic-lanternraw.html